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すずめの戸締まりのramca999のネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

キャラに魅力を感じず、どっかで観たことあるものの寄せ集めに感じたから最初から引き込まれなかったので、早々に離脱してしまったが、改めて観てみたので、追記。

自分の作品のお気に入り(天体×草原、都市部、現世常世の時空違いなど)を使い回すのは核ではなく、進化がないと感じる

千と千尋やハウルとかの要素パクリが垣間見えて、クリエイターとしては残念
ジブリから影響を受けるのは学びだと思うけど、パクらずに昇華して作ることは難しいのかな
ただ(ルージュの伝言をわかりやすく使ったのはちょっとスマートではなかったけど)猫と少女を掛け合わせて、かわいい子には旅をさせよの魔女宅らしさはパクリではなく、オマージュとして良かった
その割には少女の成長が弱すぎるけど
(この辺はジブリはいろんな作品で始まりとエンディングでの少女の成長っぷりの描き方が上手い)

ダイジンを悪く描いて、実はピュアな良いやつでしたもサプライズにしては見せ方が雑だった
言い方むずいけど脚本の権力でそう見えるように捻じ曲げたというか、伏線が効いてなかった

自然現象が実は⚪︎⚪︎だったみたいな手法もよくあるなあ
(その点風立ちぬでは地震を迫力のある表現で描いていて、観客が龍のうねりのように感じるという真逆のアプローチ)

3.11という重厚なテーマを扱った首都直下地震への啓発作品
黒塗りの絵日記のインパクトは強かった
草太の1日でも生きたいという地鎮の祈りの部分がこの映画のメッセージ
日常の当たり前の「行ってきます」が「ただいま」と帰ってこないかもしれない絶望を観客は想起してしまう
啓発としてはラストメッセージは強かったが、直接的な被災者にとっては強すぎる酷さはあったと思う
ここは誰に向けたかで言うと、明らかに3.11を忘れたり知らない人たちに向けたメッセージだから割り切りかもしれないが、3.11を扱う作品であることを放映時にしっかり周知させつつ、テレビなど受動で見てしまうメディアでは流さない配慮までしていたらリスペクト
(スポンサーがいて稼がないといけない以上難しいけど)

どうしてもこの現実にファンタジーを混ぜ込む角度で作品を作られるとジブリなら…と比べてしまう
メッセージの深さが作品全体に落とし込めていなくて、わりとラストシーンがないとツッコミどころ満載の駄作に近い
全て言語化して伝えるより映像作品なんだから、それを核に意図した表現を全体に落とし込んで筋のある作品にしてほしい

1番の違和感は鈴芽が一目惚れスタートで命かけすぎていて、鈴芽の原動力が何かわからないまま戸締りの旅が進行していくから没入できなかった

細かいことを言い出したら
芹澤の車壊れてあの反応は異常だから車壊さんければ良かったのにとか
芹澤が駅前で鈴芽見つけるのも、環さんが九州からなぜか御茶ノ水で降りて見つけるのも偶然を利用しすぎとか
そもそも草太の声合ってないとか
キリがないくらい

相変わらず絵は上手いけど、それだけで長編アニメーションはしんどい
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