せいみー

生きる LIVINGのせいみーのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.2
試写会にて。

目まぐるしい情報と変化にまみれる現代にこそ沁みる一本。

黒澤明監督の「生きる」は未視聴だったが、とても楽しめ感動した。

死の淵に立ち、初めて生に向き合った主人公のウィリアムズ。
彼が見出した「生きる」ということ。
それは日々の仕事や生活を、ただ流れるようにこなすことでは決して得らない。酒や遊びでも得られない。
しかし、誰でもすぐにでも実行できる。

彼のように、「生きる」ことを実感できるよう、日々を大切に、真剣に、人に誠実に向き合っていきたいと思った。


膨大で急速な情報社会の中で慣れてしまった私には、ゆったりと、間をとったこの映画に、なんとも言えぬ不安感を終始持ったが、逆に新鮮で自分を振り返れるいい機会になった。

1952年を思わせるリアルな世界観と演技、荘厳だけどどこか哀愁漂う音楽がいい雰囲気を作り出していて、大事なメッセージをゆっくりと真っ直ぐ運んでくれた。

恐らく人生で何度か見返すことになりそうな作品。
せいみー

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