人生って、何かと選択の連続で。私たちはその選択を、がむしゃらにやり遂げようとする。けれどふと、その目的がわからなくなってしまう時ってあるじゃないですか。そういうときに観たいのかも。
ずっと静かで、平凡なのです。なのに絶対誰にも邪魔されず、最後まで通して観たいような、美しくて人間らしい作品。
ちなみに、オリジナルは観たことがないのですが、ぜひ観てみたくなりました。
きっと日本とイギリス、たとえ主人公の歩む舞台が変わっても、世界中で共感を生むのだろう。
「生きることなく、人生を終えたくない」という主人公。生きていると実感したくて、仕事をサボったり、お酒に溺れたりと、派手なこと、色んなことをしてみたけれど、結局彼にとって「生きる」=「自分の為すべきこと」というのは、それまでしてきた「仕事」と向き合うこと、だったのだろう。
他人にとっては小さなこと、すぐに忘れられるようなことであっても、自分にとっては眩しいほど輝いていて、そしてその眩しさを覚えていてくれる人は必ずいるのだということ、信じてみてもいいかなと思えました。
今、自分が余命宣告されたら、何をするかなと考えたとき、それを考えられるほどものごとを経験していない悔しさと、たくさんの憧れを同時に感じました。もっと毎日丁寧に過ごそう。冒頭の、階段を登るウィリアムの影から溢れる日差しのように、優しく、丁寧に。
