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エンパイア・オブ・ライトの2naのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
3.8
サム・メンデス監督最新作。
ここ最近は「1917 命をかけた伝令」や「007」シリーズなど、ビッグバジェットの大作アクションが続いていましたが、久しぶりのドラマ作品がきたという感じで、お待ちしていました。こっちの路線。

冒頭から静かな展開が続きますが、主な舞台となる場所が映画館っていうのが良いですね。
しかも現在のようなシネコンではなく、当時のその土地土地によってカラーが違う、土着の映画館。ほんと好きです。
しかも映画における光の話が出ていたので、最近どこかで見た気がしていたと思ったら、「エンドロールの続き」でした。なんというタイムリー感。

鑑賞前にあまりストーリーを入れずに鑑賞したので、恋愛要素(と言っていいかわかりませんが)多めで、盛り上がりに欠けるかな、と一瞬思いましたが、当然そんなことはなく安心しました。

オリヴィア・コールマンの圧倒的な演技力に引き込まれてつつ、マイケル・ウォードの人種の悩みを体現した見事な演技、コリン・ファースのク○野郎ぶり、そしてトビー・ジョーンズの存在感など、役者陣による掛け合いは圧倒されました。
静かめなドラマ作品だと、こうした技巧派な役者陣による演技合戦が作品を引っ張っていくんだと、改めて実感しました。
あっ、あとニール役のトム・ブルック、役柄を含め、個人的なベストアクターです。

1980年代初頭のイギリスということで、スペシャルズをはじめとした2トーンスカのノリも良いし、ピアノの旋律メインのスコアも良いな、と思っていたらまさかのトレント・レズナーとアッティカス・ロスでした。そりゃあ良いですよ。すっかり映画音楽界の大物になりましたね。

ド派手なアクションも良いですけど、メンデス監督だと「アメリカン・ビューティー」や本作のようなドラマ作品が良いな、と改めて実感しました。