なんかわからんが凄いものを観たという感じ。ケイト・ブランシェット様映画ですね。
役柄は全然違うけど、自ら破滅に向かうケイト・ブランシェットという意味ではちょっと「ブルージャスミン」を思い出した。あとは「セッション」と「ブラックスワン」を混ぜたような、ニューロティック・スリラーという感じ。トッド・フィールド監督、自分はマセガキだったので小学生の頃にエッチな気持ちで「リトル・チルドレン」を観たことあるんだけど、内容覚えてないのに、なんか全編ずーっと不気味で不安にさせる作風が今作と一緒ですごく思い出した。
2時間半は正直長いし、登場人物の名前も、起こる出来事の詳細も観客に理解させる気がないほどふわっとさせたまま進むので、退屈と感じる人がいてもおかしくはない。しかし、自分はやはりケイト・ブランシェットの圧倒的カリスマ性と、全編漂う不安な感じと緊張感で退屈はしなかった。理解はまったく出来てないと思うが。
なんというか、どれだけ才能をもった優秀な人でも、性別など関係なくパワーを持ってしまったらこういう歪んだ振りかざし方をしてしまうのかということを1番感じたかな。最近世間を騒がせている某男性アイドル事務所のことも連想してしまった。特に笑ったのが、可愛い新人チェリストと食事するターの表情・発言がマジおじさんすぎてね。
ラストのオチも、自分は他の人の感想を読み取るまでまったく解釈すら出来なかったし、彼女がどの程度パワハラ・セクハラを働いたのかも曖昧なまま（まあでもある程度後ろめたいことはありそうな感じ）。この作品が一番言いたかったメッセージはなんなのだろう。謎ばかりだけど、なぜか鮮烈に記憶に残る1本だった。
