切なすぎて、胸が抉れるかと。
恋愛映画だけど、安易なドラマチック展開に頼らないのが良き。
まずは、ニューヨーク旅行映画としても秀逸。昔観た、「ビフォアサンライズ」を思い出した。人と行った旅行で、景色とその時した会話セットで覚えている感覚が描かれていて、旅行気分で楽しい。
メインの2人の恋愛模様だけど、結局2人は別に恋人だった期間が1度もないのが面白い。特にヘソンはノラに対して幼少期の初恋を投影させてるだけ。だけど、恋になるかもしれなかった、実際にはもし付き合ってたとしても上手くいきそうもないとお互い分かってる、そんな関係性って確かにあるなあと思って、2人に共感しながら観てた。
最も切ないのはノラの夫アーサー。母国語が違うカップルが味わう寂しさなのかな、妻のことを完全に理解しきれない胸の内を吐露する場面が切なくて、3人での会食シーンのひたすら影を潜めてるアーサーの胸中を思うと…。3人のシーンなのに、カメラワークも意図的にアーサーを切っちゃってるのは、そういうことだよね。
結局結ばれることがなくても、一度も発展しなくても想いがあった関係というのは美しいと思うし、そこに嘘くささも、嫌な感じもしない大人な展開は本当に良かった。繰り返し観たくなるかも。
