ayellowbird

TAR/ターのayellowbirdのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.8
トッド・フィールド監督が16年ぶりに手がけた長編作品で、ケイト・ブランシェットを主演に、天才的な才能を持った女性指揮者の苦悩を描いたドラマ!
ドイツの有名オーケストラで、女性としてはじめて首席指揮者に任命されたリディア・ター。天才的能力と類いまれなプロデュース力で、その地位を築いた彼女だったが、いまはマーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャーと、新曲の創作に苦しんでいた。そんなある時、かつて彼女が指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは追い詰められていく…。

ケイト・ブランシェットの迫真の演技に引き込まれる作品! 前半は楽典の解説やリディアの指揮シーンなど、“マエストロ” リディア・ターの人となりが描かれる。しかし、後半になると、今や時代の寵児となった彼女の言動が、楽団員や教え子との衝突につながることが増え…。
女性マエストロの栄光と挫折。そう言えば、キャプションとしては分かりやすいが、それはリディアがたまたま女性だったというだけで、男性であってもありえること。権力を持つ者は、その権力を行使する一方で、周囲からは常に羨望と嫉妬の目で見られる宿命を背負う。その宿命に敢然と立ち向かうリディアの姿を、ケイト・ブランシェットが見事に演じきっていた。
ayellowbird

ayellowbird