Lovemovy

TAR/ターのLovemovyのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.5
上映当時あまり前情報をインプットせずに、映画館みたいに逃げ場が無くて作品に集中して見られる環境で観られたのがよかった。

ケイト・ブランシェットでなければ見に行かなかったし、ケイト・ブランシェットでなければつまらなかったと思う。

挿入曲の独特な曲調が緊張感を煽る。それが最後までなんとなく底辺にあって気持ちがそれに載せられてすすんでいく。

2時間40分の長い作品。気持ちがフェードアウトしたのは最後のVHSのビデオを見るシーンくらい。それくらいケイト・ブランシェットが出てるシーンは目が離せない。そこにいるのはケイト・ブランシェットなのだけど、指揮者リディア・ターの存在感を強く感じる。音楽家としては優秀なのに実は(音楽家だから?)感情や本能を隠し切れない人間くさくて隙もある人。決して魅力だけが溢れる人物ではないけど、濃厚な2時間半をそばで一緒に過ごした後は離れ難くなる不思議。

途中、夜中に冷蔵庫のモーター音や生活音で目が覚めるのに共感したけど、メトロノームはいったい誰の仕業?
Lovemovy

Lovemovy