アァーーーーーー

TAR/ターのアァーーーーーーのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.8
まず、事前情報ほとんどなしに、
というか、わたくし、映画を観るときは出来るだけ真っさらない状態で観るため、予想してた「実在した不世出のコンダクターの一生を観たことのない演出でミュージカル調に仕立てた映画」とばかり思っていたので、こんな「日大のスキャンダラス再現VTR」みたいな「俗な」映画だとは思っても見なかったから、最初の1時間はつまらなくてしょうがなかったし、観終えた今も「なんでこんなに賞とって絶賛されてんの?」ツー感じだったが、まあオーケストラつー権威も蓋を開けてみればロクに音楽も聴いてこなかった金持ってるジジババが寝に来てるだけだし、その「音楽」なんてのも良し悪しなんてものは多様化しまくってる訳で、その「私たちは違いまっせ」的な宝塚的な厳しさなんかも透けて見えてくるわけでもあり、パンデミック中に世間がやたら「ハラスメントだ!ハラスメントだ!」と騒いでいたのには、なによりも閉鎖された窮屈な状況下で「お前1人だけが」みたいなノリが全てだった訳でありつつ、この映画を観てると「あー帰れないとこまで人間は来てしまったんだなぁ」と悲しくなってくる。それは希望としてラストに描かれているんだろうが。んー。
特に惹きつけられる映像とか、アイデアの凄い撮り方とかも全く持ってない。
音楽家として権威のある人間が大家が変なアパートを借りるわけがないし、ミヒャエルハネケの映画を3時間弱に伸ばしただけのような平坦な映画において、唯一すごいと思えるのはケイトブランシェットの演技のみで、こんなに賞をあげるぐらい何年後かに見直して凄いと思える映画なのかなぁ、と疑問が残る。
まあ、人間は常に評価をしなきゃ良し悪し判断が付かないわけで、ワザと印象を操作してプロモーションしないと誰も観ないわけだし、その評価を牛耳るぐらいに強力なエゴと承認欲求を満たすために私たちは仕事に従事しているのだぁー。。
アァーーーーーー

アァーーーーーー