ミレイ

TAR/ターのミレイのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.9
続けて2回観た。
1回でよく解らなかった。そしてまた、2回目も全く飽きることなく集中して観てしまった。
ケイト・ブランシェットがリディア・ターそのもので、インタビューや講義のシーンなんかはドキュメンタリーかなっていうくらいのライブ感。監督が彼女を想定して脚本を書いたというのが頷ける親和性。

女性でありながら、古い権威主義の残るクラシック音楽業界において、才能と情熱と努力で地位を築いた稀有な存在。同性愛者でもあり、ベルリン・フィルのコンマスと同性婚、養女を育ててる。存在自体は進歩的なのに、本人自身が古い体質に浸かったおじさん的な感じなのがなんとも。権力を使って目障りな者は排除するし、かと思えば才能がある美貌の若いチェロ奏者に翻弄されて、ときめいたりフラレてしゅんとなったり。国際女性デーも知らないし。

結局何がテーマなのかよく解らなかったけど、ケイト・ブランシェットを観るだけでも価値があると思わせられる、そんな作品でした。また観たい。


ラストシーンはどういう意味か?
“こちらの都合で演奏する曲を選別するのは、観客を馬鹿にしているし、不誠実な行為だ” という講義での彼女の言葉を思い出した。
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