コーディー

女子高生に殺されたいのコーディーのレビュー・感想・評価

女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)
3.9
異常な性的嗜好を満たそうと題名の受け身な言い回しに反して能動的に舞台を整えていく東山。一見生徒想いなイケメン教師が内に抱える歪み、溢れる欲望を飼い慣らしw虎視眈々!
けど冷静&周到、そして愛。が割と変態性を中和してたりと理解への入口は見えてくる絶妙さw
面白い!

まあ冷静とは言ったけど、流石に軽率でしょ〜な行動もあったりと所々欲望が理性を上回る制御できない感じもある。ただ不快感はほぼ無く、漫画的な滑稽さと〝普通〟に適応できない人間の心に焦点を当てたシリアス加減も良い塩梅。
また東山の視線の先にいる女子高生の特性も歪な物語に更に一癖加えてる。

この内容でエログロや下品さをほぼ出さないのは凄いけど個人的には少し綺麗過ぎたかな。田中圭の変態性もヤバさより可愛げが勝るしw終盤にかけての恍惚や背徳感、湧き上がる欲望などもやや弱くタイトルの衝撃の割にソフトな印象。まあ飛び道具的な斬新さは面白いけど、もっと生い感触も欲しかったかな。

とは言え、序盤からグイグイ物語を不穏へと導く河合優実さん、掴み所ない役柄も相まってついつい惹きつけられる。あと柔道女子を演じた茅島みずきさんのクールな存在感も良かったな〜
短い尺で人を動かしミステリーやるとどうしても説明的になるのは仕方ないけど役者さんの演技は皆素晴らしく、ゾクゾクした。