コーディー

カード・カウンターのコーディーのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
3.9
服役中に磨いたカードの腕で小さく稼ぎ慎ましく生きる男。
正常ではいられなかった過去を鎮めるように形式的な日々を送る彼がある若者と出会い、贖罪と使命に動かされていく…
ギャンブラー映画かと思いきや罪や赦し、実存的苦悩と向き合う者の思索に満ちた物語。
めちゃ好き!

出禁を食らわぬ程度に技を使い、カジノを転々とするウィリアム◦テル。
行く先々のモーテルでは部屋の家具を白いシーツで包むなど習慣化された日常が何にも侵されない秩序=正常な判断を保つ為の作法の様にも見える。
そんな超然としたギャンブラーの性質に隠された彼の本質を紐解いていく展開も良い!

謎多きギャンブラーを演じるオスカー・アイザックの無表情の下に覗く人間味や、闇を背負うも知性と品格漂う奥深さにひたすら魅了されたし、制作に名を連ねるスコセッシも好きそうやな〜って思いながら観てたw
そして繰り返すだけの日々を終わりへと向かわせるタイ・シェリダンとの控え目な関係も好き!

いくつか出てくるカジノが漏れなく趣があってワクワクする雰囲気だったので、行きたくなったな。
もちろん〝負けるなら小さく〟やけどw