コーディー

パスト ライブス/再会のコーディーのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.5
再会の喜びに浸る二人、そして視線を重ねた次の瞬間〝もしも〟という感情の脆さ、答えを悟る…
ノラとヘソン。二人の確かと不確かを慎重に紡ぎながらN.Y. 深夜のバーで零れる感情。運命という漠然としたモノの正体に触れ、言葉と共にストンと胸に落ちてきた瞬間、涙が溢れた。

面影を巡ったり通り過ぎたり…
繋がってるけど並行しない二人の世界を諦観するのではなく記憶と現実、どちらも尊重しながら新たな解釈へと導く展開が個人的に完璧。
そして自分が誰なのか…というノラのアイデンティティを超えて、更なる影響を与えるアーサーの存在が偶然の尊さを象徴している様にも思えた。

親密さの中にある届くものと届かないものを視線や会話の間で表出されていく緊張感のある描写に震えたしw
そんな二人をネット通話やNYでのひと時など時間や場所や文化も超越した〝イニョン〟で繋がる関係として重ねていく展開、筆舌し難い抑えた感情を表現するグレタ・リー&ユ・テオが素晴らし過ぎた!

あやふやな感情や不毛にも思える時間、それら全てにこんなに確かな意味を持たせてくれるのか〜って胸がいっぱいになったし、映画観ててあんまり経験したことのない感覚やったから感動と言うより、嬉しくて興奮したw

今年観た映画の中で今のところベスト。
大傑作でした!