ちこちゃん

モリコーネ 映画が恋した音楽家のちこちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
マエストロの音楽は200年後、クラッシックになるはず。

モリコーネの存命中にこのドキュメンタリーが撮影されて本当に良かったです。
感謝でいっぱいです。

タランティーノやイーストウッドという映画監督だけでなく、ハンス ジマー、ブルース スプリングスティーンやクインシー ジョーンズといった名だたる作曲家もインタビューで尊敬と賞賛を表していることから、映画と音楽の両分野に大きな影響を残したことが理解できます。

正統派としての作曲のスタイルを学び、師匠からも正統派とは認められない映画音楽の作曲をすることの苦悩が語られます。彼の前に映画音楽は確立しておらず、ファーストペンギンとなったモリコーネは批判と評価の狭間で揺れ動きます。それは、正統派としての交響曲の作曲も続け、映画音楽も作り続けるという彼の中での二つの異なるものを融合する困難な作業だったのかもしれません。

映画を観ながら、まだまだ観ていない映画がいっぱいあることから、まだまだモリコーネワールドを楽しめると嬉しくなりました。

場面の画を観て、映画のストーリーを思い出すことは多くありますが、映画音楽を聴いて場面が目に浮かぶ作曲家はあまりいないのではないでしょうか。それだけでもモリコーネが稀代の作曲家であることの証左だと思います。

映画を違う次元に連れて行き、芸術に昇華させたモリコーネ R.I.P
ちこちゃん

ちこちゃん