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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-のバナバナのレビュー・感想・評価

2.8
イギリス・アメリカの連合軍が地中海側から上陸する地がシチリアであるとナチス・ドイツも分かっていたのだが、どうにかギリシャ・サルディーニャ方面であると誤解させるために、遺体に偽情報を持たせてナチスのスパイがいるスペインの浜辺に打ち上げさせ、確実にヒトラーの下へその偽情報を届けさせる、という“ミンスミート作戦”の実話に基づいた作品。

話に膨らみを持たせるために、もう初老のコリン・ファースと空軍大尉と女性職員との間に軽い三角関係を入れたり、上司の提督がこの作戦にアンチだったり…となっています。

スペイン現地のチャールズ王に似ている人がイアン・フレミングなのかと思ったら、作戦室でタイプ打っていた若造の方でした。
スペインに居るイギリス軍人がナチスへ情報を上手く渡すために、ホテルの女性従業員を垂らし込んでいたり、男のスパイにナニしたりと涙ぐましい努力をしていたのが一番大変そうでしたw。

しかし、偽の遺体に軍歴だけでなく、彼の性格や人生をも想像して細かい設定を考える辺りは、さすが個人を大切にする欧米だなと思いました。
日本では降伏するかどうかの御前会議の前日まで「まだ市民2000万人が命を犠牲にして徹底抗戦すれば勝機はある」などとほざいていた日本軍人も居たくらいだから、こんなリアリティのある個人の経歴やアイテムなどは到底考えられなかったでしょう。
また、情報が敵国の誰に伝われば、確実にヒトラーの下に届くかまで調べあげているMI6も流石!と、詳細に作戦を練り上げていく過程のところは面白かったです。

ただ、コリン・ファースの秘書の女性が凄く周りをよく見ている優秀な人でしたが、最初、この人もコリンのことが好きなのかな?と思ったがそんな事もなく、
また、一応史実通りに進んではいくけども、話が薄っぺらい恋愛の方に行った割には三角関係も全然大したことなかったりで、せっかく作戦が成功したのになんだか尻すぼみで終わってしまったな、という感じでした。
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