ゆきゆき

リベリオンのゆきゆきのレビュー・感想・評価

リベリオン(2002年製作の映画)
4.0
舞台は人間の感情を抑制し、争いごとがなくなった未来の管理社会。市民は強制的にうつ状態になる薬を摂取し、絵画や音楽など人の感情を喚起させる一切の物は処分され、違反者は容赦なく処刑される。わかりやすいディストピアだ。しかしこの世界を牛耳るファーザーの部屋には絵画が。結局平和の為だなんて独裁者の方便に過ぎないのだ。

主人公のプレストンが使う戦闘術の「ガン=カタ」は実にスタイリッシュ。まるでダンスのように軽やかに動いては敵の弾を避け、相手に確実に撃ちこむ。プレストンが銃を袖から取り出した瞬間に「勝ったな」と確信させるだけの凄みと強さがありますね。

人工の芸術品を排しても人間の感情を呼び覚ますものはそこら中にある。雨のしずく、夕焼け・・・薬を断った主人公が自らに生まれた喜び・愛情・悲しみと少しずつ向き合っていく姿にこちらも引き込まれてしまいました。

にしても、冷たい暗殺者の心を溶かすのはいつだって子犬なのね・・・。
ゆきゆき

ゆきゆき