ジャケ写ないのか‥。観た人9人か‥。じゃあ、ちゃんと書かなくちゃ。文豪ヘミングウェイの原作を「パットン大戦車軍団」の監督・主演コンビで映画化。ナチスドイツが猛威を振るう頃、バハマ諸島で家族と離れ一人で暮らす芸術家の物語が3章の構成で綴られる。

最初の「the boys」では3人の息子達が島を訪れ、確執がある次男とカジキ釣りを通して和解するハートウォーミングなお話。次の「the woman」では前妻が訪れ、夫婦間でキレッキレのセリフの応酬が繰り広げられるが、そもそも前妻が突然現れた理由とは‥？　最後の「the journey」では意外やサスペンスの展開になり、流れ着いたユダヤ人難民の救出劇が展開される。中でも2章が感動的で、原作ではなく演出の手腕によるものと思う。

全編を通じて撮影が素晴らしく、絵画のように画面構成がキマッていて、美しいカリブ海の景色が堪能できる。また、短髪髭面のジョージ・C・スコットが絵的にもキャラ的にもドンピシャにハマっていて、いつもの激怒モードは封印して抑制した静かな演技に徹している。ヘタレ役のデビッド・ヘミングスも好演。嬉しいオマケでは、「007 死ぬのは奴らだ」の黒人の義手の悪役が主人公の使用人を演じている。

普段から旧作ばかりほじくり返しているが、本作のような無名の良作に出くわすと報われた気がしてホッとする。

• #☆DVD

３つのエピソードで成り立っているが、最後のエピソードは取って付けた感あるが、その他のの２つはいい。やっぱり家族愛だよな。ジョージ・C・スコット好演。全編通してゴールドスミスのスコアは素晴らしい！彼自身がもっともお気に入りだったというのも頷ける。

ヘミングウェイの遺作の映画化。3つの章から成る構成は原作と同じ。シャフナー、スコットの「パットン大戦車軍だ」コンビだが、派手さを押さえた演出で、おとなしい印象の作品となった。
堂島・毎日文化ホールにて