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ミスター・ランズベルギスのeulogist2001のレビュー・感想・評価

ミスター・ランズベルギス(2021年製作の映画)
3.9
4時間を超える長尺のドキュメンタリー。リトアニアの独立運動を指導したランズベルギスが90年前後の当時を振り返って、彼の素朴な別荘の前から笑顔を時に交えながら大きな椅子に座りながらゆったりと語る。時間とともにじわりじわりと現在のロシアという国家、その周辺国との繋がりが伝わってくる。権力者の意識構造は昔とまったく変化していない。

しかしその内容は壮絶な独立までのソ連ゴルバチョフや国内の親ソ派との闘いの舞台裏でもあった。

・ゴルバチョフが平和主義者でもなく、むしろ必死でソビエト連邦の崩壊を武力をもって阻止しようとしていた張本人だったことは、今更ながら理解した。しかも政治的に駆け引きを含めて権謀術数というよりはむしろ責任転嫁が多くかなりの卑怯者であった。より改革を進めたエリツィンが酔っ払いのアル中のイメージが強く悪者のイメージだったが、民主化の点では明らかに彼の「功績」だったことも分かる。
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