最小限で最大限に。
この映画には劇伴がない
それに加えて主人公のケイコは耳が聞こえず、ほとんど喋らない
そのため、他の映画に比べて音数が圧倒的に少ない
普通そうなると映画全体も静かで落ち着いた雰囲気になると思うのだがむしろ逆。
グローブがミットを打つ音や縄跳びの音、家のチャイムなどひとつひとつの音のインパクトがむしろ最大化してとてつもない情報量となって降りかかってくる
ずっと画面に釘付けだった、、、
ケイコの手話のシーンの表現も凄かった
初っ端無声映画みたいな字幕の出し方してきてお〜って思ったら普通の字幕で出してみたり、中盤の手話同士の会話のシーンに至っては字幕が一切出ないというバリエーションの多さにびっくりした
今これを書いててふと思ったけど、ケイコがミット打ちでやってたステップってチャップリンの街の灯のボクシングシーンと少し似ているような気がする
字幕の出し方含めてその辺りを意識してたのかもしれない
結局この映画が良かったのかイマイチ分からない
ただ、その表現に圧倒され釘付けになったのは事実で、そういう意味では映画としてすごく大きなパワーをもった作品なんじゃないかと思う