たいが

ボーイズ’ン・ザ・フッドのたいがのレビュー・感想・評価

ボーイズ’ン・ザ・フッド(1991年製作の映画)
3.9
冒頭で流れる黒人による黒人の殺人の多さについてのテロップ
その後にでかでかと映し出される真っ赤な"STOP"の道路標識
見慣れているはずのただの道路標識が文脈を持ったとたんに違う見え方をしてくる、、、
この瞬間に確信する、これは凄い映画だ

黒人社会において真っ当に生きるとこがどれだけ簡単ではないことなのか
リッキーのようになにかの才能を見出して抜け出すか、その他大勢のようにチンピラになって死ぬか
そんな2択しかないような世界

全てを観た後に振り返ってみると
幼少期のトレ達にラグビーボールを返した青年の存在や、近くに住む家族の多くが母親のみであることだったりが、語られていない文脈やこの町で繰り返されてきた歴史を感じさせる

ただ、とにかくローレンスフィッシュバーンが良かった
そんな環境の下で父親としてトレを真っ当に育てようとする聡明な存在

だがしかし彼自身も怒りを抱えている
時折健身球を手で転がしていたり感情的になりそうな時は一呼吸おいていたり、自分の中にある怒りをなんとかしてコントロールしようとしているように見えた

そしてやっぱり環境って人間にとってすごく大きな要因なんだなって思った
トレに行動を起こさせたのも環境だし、思いとどまらせたのも環境だった
たいが

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