たいが

ゴッドランド/GODLANDのたいがのレビュー・感想・評価

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)
4.0
アイスランドの僻地に教会を建てることを命じられたデンマークの若い牧師
その過程で描かれる文化的衝突や信仰、人間の弱さと盲目的確信
そしてそれらを軽々と凌駕する自然の圧倒的なスケールの大きさ

印象的だったスタンダードサイズの画面や丁寧に捉えた横移動、そしてゆっくりとした360°パン
それらによって強調されるフレームの内と外、そして個人の意識の内側と外側について
ルーカスが執着を見せる写真というモチーフもそのひとつ
なにかをカメラのフレームに収めるということはその外側にあるものの存在を世界から消し去ることだ

アイスランドの言語を覚えようとしなかったり自然のことを甘く見たり、旅を進めるごとにどんどんルーカスの傲慢さが露呈していく
アイスランドに着いてからも教会が完成していないからという理由で結婚式を執り行わなかったりと牧師としての役割も果たさない
極めつけには"祈ってくれ"と懇願する相手でさえも退ける
牧師なら彼のような人間にこそ救いの手を差し伸べるべきじゃないのか?

そんな人間たちの歴史の一部として繰り広げられてきた弱く小さな争いを描きながらも、それらを一切意に介さないようにその営みを続ける自然を強烈なビジュアルで映し出す
たいが

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