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ケイコ 目を澄ませてのパピコのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.5
聾者の女性ボクサー。
ぶっきらぼうで人と打ち解けることがなかなかできない性格。
唯一信頼できるボクシングジムの会長。
しかしジムの閉鎖が決まり…

静かなボクシング映画。
ボクシング映画といえば友情努力嫉妬欲望名声など色んな感情が混沌として、最後にカタルシスを感じる作品が多いが、この作品は違う。
じんわり、あぁいい映画を見たなぁという感じ。

聾者の世界と健常者の世界を対比させるための音の使い方が素晴らしかった。
コンビニや路上でのやり取り。聾者の主人公には聞こえない不便さや疎外感。
あるシーンで手話で会話するシーンがある。字幕などはなく、健常者には何を楽しそうに話してるのかわからない。
この疎外感を聾者の人は常に感じているとしたらゾッとした。

そして日常の生活音をいい音で作品に使っている点。
音だけで気持ちよく感じる作品でした。(特にボクシング練習)

話としてもすごい盛り上がりがあるわけではなく、小さな成長があるのみ。
感じとる系の作品なので、普通のボクシング映画を観たい人には向かないかもです。

岸井ゆきののブスッとした表情最高!
そのギャップで笑顔がめちゃくちゃかわいく感じる!!
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