基本がベタな日本のスポ根青春モノであるから演出に対する苦手要素はぶっちゃけある。
「…要らんわそういうの〜。」
という部分もまぁまぁある。
ただ重きに置いてるのはドリフトレースなので過剰なストレスまで行く事はない。
一方ドリフトレースの演出は実際に参加したリアルな競技選手が撮影中に意地を張り合う事もあったぐらいの熱量ある走りを"作品のシーン"として「過剰に投入し過ぎず、かと言って殺し過ぎず」絶妙なボリュームと魅せる技法で楽しませる。
CGも分かるレベルで使っちゃいるが意外にノイジーではなく。
レース演出も細かいルール等は敢えてオミットし分かりやすく、その一方で専門用語にいちいち説明もしない。
「肌感で何となく分かる」ぐらいの塩梅になっている。
つまりウマいんですよ、バランス配分が。
むしろやたらと説明的なセリフ並べられるぐらいならソレぐらいの方が良いんですよ。
〈2JZを積んでFRに換装したヤリス〉
とか"分かる人には分かる"ぐらいでイイんですw
マニアに寄せ過ぎても一般の人はついて来れませんから。
コーディネーターとしてドリフトキング土屋圭市が関わっているがソレを活かすも殺すも作り手の腕。
ラリーとドリフトの違いもあるっちゃあるが、正直なところ金のかかってる【OVER DRIVE】より映像作品として躍動感は上ですね。
まぁ筋書きはアッサリかつベタ、ドラマとして演技/演出もベタ。
だがドリフトレースをネタにした映画としては中々にパワーを感じる映画だったな、と。
車好きとしては結構好印象。