Sasada

マイ・ブロークン・マリコのSasadaのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
4.0
他者の生と死にいかに関わるかと言う話で、いろんな皺寄せを食っているものたちに“あんたは何も悪くない”と伝え続ける映画だなと。
見せ方はやや凡庸だけど、でも良い映画だった。(異様に多い独白台詞はマリコへの発話というエクスキューズもあるはあるし)

唯一と言っていい友だちでも、彼女の気持ちはコロコロと変わる。交わした約束は簡単に反故にされる。なんなら勝手に死んでしまう。

後悔のない人生なんかない。いくつもの「あの時ああしておけば」ばかりに満ちた毎日。
でも、生きていれば現在が過去や未来を書き換えてくれることもある。
生きているから2人で海を観られた。生きているから思いを伝えられた。生きているから彼女を救うことができた。
どれだけ虐げられても苦しくても死だけが不可逆であり、生きていればこそ改善可能性が/希望が残り続けるのだということ。

「大丈夫に、、見えますよ」の反復が最高だった。もう大丈夫。彼女は/私は生きていける。
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