のんchan

苦い涙ののんchanのレビュー・感想・評価

苦い涙(2022年製作の映画)
4.2
やっぱりフランソワ・オゾン監督好きだ〜💘裏切らない😆

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の戯曲を自ら映画化した『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(1972年)のリメイク。

実は↑が苦手だった。こればかりは好みなので仕方ないけど、オリジナルは悲劇で、こちらは敢えてコメディ味溢れる悲喜劇になっている。

主役はファッションデザイナーのペトラ(レズビアン)から映画監督ピーター(ゲイ)へ転換し、ファスビンダーとオゾン自身にも反映しているのでリアリティを感じる。

ちなみに主演ドゥニ・メノーシェの体型がファスビンダーに似せているらしく、デブで女々しくてクソ野郎の雰囲気が私は何だか愛おしくなり、最初からクスクス笑いながら観れてほんっと楽しくて仕方なかった🤣

ピーターの親友の大女優役はイザベル・アジャーニ(当時66歳)。今作はイザベル観たさもあったけど、期待以上に美しくて目の保養、憧れます🤩

若い恋人役はハリル・ガルビア、ピーターのアシスタント役ステファン・クレポンの若手2人が抜群✨
アシスタント役はオリジナルも重要な役どころの僕(しもべ)だが、ステファン・クレポンの身体の薄み、目の演技、心の葛藤が最高👏

オリジナルに恋人役で出演していたハンナ・シグラはピーターの母親役。元はモデルでもあったシグラ(当時78歳)も身体は豊満になったものの、ダメ息子と孫娘を愛す優しい女性で雰囲気を作る。

エンドロールラストの1枚の写真(ファスビンダー監督とハンナ・シグラが並んでいる)にオゾン監督の愛を感じた❤️

全体的にセンス溢れていて、室内装飾、壁に掛ける写真等、衣装、全てのカラーコーディネートに眼福でした✨
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