『アマンダと僕』『サマーフィーリング』のミカエル・アース監督の新作。
一貫したテーマは喪失からの再生と希望、優しさ溢れる監督らしい作品だった。
シングルマザーを演じたシャルロット・ゲンズブールの母親像、または女性像が、国を超えて受け入れられ感情移入が止まらなかった。そして自然体な演技にはチャーミングな一面も。
煌びやかでお洒落なパリの顔も、1歩踏み込めば人々の日常があり、当たり前に時間が流れ、人生を包んで行く。
そう言う意味ではセドリック・クラピッシュの『PARIS』にも通じる視点だし、刺激される感情も似てる。
ノスタルジーを誘う80年代パリのざらついた映像と雰囲気、そして高層階からの夜景は夜景酔いするくらい美しい。
もうそれだけでシネマティック!
“些細な、あるいは平凡にさえ見える出来事こそが人生の一大イベントであり、本当の意味でのドラマチックな変化…”
ココでのあらすじがことのほか沁みる。
人間の営みの愛おしさと人生を静かに考えさせられる優しい人生讃歌。
女性にはより響く作品だと思う。
余韻も心地好い。
「プリンを作ったらジョー・ダッサン♪」
親子でダンスシーンがお気に入り♡