Jun潤

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのJun潤のレビュー・感想・評価

3.4
2024.03.27

予告を見て気になった作品。

1968年、シカゴ。
弁護士の夫・ウィルを持つジョイは、娘のシャーロットと共に平和に暮らしていた。
しかし、ジョイの身体に新たな命が宿ると、彼女の体調に異変が起き始める。
ある日、家の中で倒れたジョイは、病院で妊娠によって心臓の病気が悪化していることを告げられる。
ジョイの命を救うためには、妊娠を止める、中絶をするしかなかったが、当時は法的に認められておらず、病院の理事会の男性全員から中絶を反対されてしまう。
新しい命のためには、自分が死ぬしかないのかー。
どうすることもできないジョイは街で「ジェーンに電話を」という貼り紙を見つける。
すがる想いで電話をかけると、違法だが安全な中絶手術を受けられる団体「ジェーン」に辿り着き、ジョイは一命を取り留める。
その後、ジョイはジェーンの目的に賛同し、共に立ち上がる、それが夫の仕事である法に触れる行為であっても。

ふーーん、なるほどなぁ。
フランスで製作して欲しかった気もする……。
アメリカに実在した団体の話だけれども。
扱うテーマに対してノリが軽いというか、違法な行為であっても女性の選択肢を狭めないために女性一同立ち上がろう的な、ダークヒロインチームな感じがして、それもそれで悪くはないんだけど、やってることが中絶だとなぁ。
手放しで応援、しちゃいけないわけじゃないと思うけど、少しばかり気持ちはブレる……。

中絶が合法な時代に生きていて、しかも男だから妊娠に伴う身体の変化やキャリアへの影響とかの気持ちもわからず実感も湧かない身としては、やはりこういう作品を通して女性の現実を目にしていきたいんだけど、自分たちを正義と疑わない人たちの活躍として観せられてしまうと、逆に産むことを選択した女性や、母としての幸せを享受している女性の姿も一緒に見せて、両方の幸不幸を対比して観せて欲しかったかなとも思いました。
Jun潤

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