「こんなもんでいいんだよ」を作り手側が言うなら(やっちゃ)、こっちは「こんなもんじゃダメ」と言わざるえないし、そもそも「こんなもんでいい」と言う意味を履き違えてる。
作品作りに舐め切った態度が透けて見えるタチの悪いエクスプロイテーション。
…
本作ほどちゃんとしてない“ルックから明らかに安っぽいサメ映画”とか“B級映画”と言われてる映画を割と観るんですが、別に酷い映画に当たりに行ってるわけじゃなくて純粋に「面白そうだな」と入るわけで、その気持ちにA級だろうがB級だろうが分け隔てはなく。
予算のある映画では画面のゴージャスさを堪能するし、無い映画では脳内でVFXを助けてあげて、オリジナリティや創意工夫に感心したり、その中にある“中身”にはAもBもなく感動したりするから僕はそういうのも観るんだと思うんだ(たぶん)。
そういう“旨味”が過剰になってきて、近年のエンタメ映画はやり過ぎて過剰接待だらけが普通になってきて、そんな中でたまに会う(贅沢だけど)程よい湯加減の楽しい映画に出会った時に
「こんなもんでいいんだよ。」
って言ってるわけで、本作は「サメ映画なんてワー!っとやってドーン!ってなって適当にやっときゃいいっしょ?、あとはステイサムで誤魔化しきくし!」と作り手の慢心をこんなもんでいいっていってる訳じゃないんだよ。
ちょっと前に見た『ロードハウス』を「こんなもんでいい映画もジェイクギレンホールがやるともの凄い良いもの見せて貰った気になる。」と書いたんだけど、本作は…
「ジェイソンステイサムですら覆い隠せないこんなんじゃダメ映画。」
と。作った金すらもったいない。
一個だけ褒めるならば、近年集客のためかなかなか言わない“2”を堂々とタイトルに冠してることくらい(いや、それすら考えなしかも…)。