ボクシングしか取り柄のない男の生き方、そして彼女の生き方
主人公はボクサーで引退して職に就くが上手くいかず、結婚した彼女とも良い雰囲気にはなれずという設定で、元ボクサーが地下格闘技に堕ちていくという設定も特に新しくはありません。
しかし、見ていて熱かったのは、その地下格闘技で「生きること」を取り戻す主人公の姿であり、応援する友人も感化され自身の人生を見つめ直すあたりかと思います。
その熱を冷ますように、離婚して空虚になった彼女のエピソードが挟み込まれますが、人生を描くドラマとしてはナイス・インパクトだったように思います。
主演の木幡竜さんはあまり馴染みがないですが、元ボクサーで鍛えられた肉体は目を見張るものがあります。
彼女役の鎌滝恵利さんも、すいませんあまり存じ上げないですが、本作では彼女の複雑な心境を見事演じられていました。
友人役の今野浩喜さんはコメディアンですがいい演技をされていて本作のドラマのカラーを見事に彩っておられました。
そして印象的な最後の閉め方も、主人公と彼女の人生の歩みを思わせてグッときました。