konomo

PLAN 75のkonomoのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
3.6
問題提起が目的なので、割と設定はゆるふわなディストピアもの。
現代の高齢者の生活のしんどさに、じわじわと架空の怖いシステムが入り込む。

ゆるふわなんだけど、支度金たった10万円!とか、炊き出し会場や高齢者の検診でPLANの宣伝やってるのとか(特にどの層に使って欲しい...みたいな思惑が)、対象年齢引き下げ検討のニュースとか、生々しいところも。
実際やったら、高齢者内の分断が生まれたり、もっとエグいんだろうな...。
とにかく、こんな社会でいいの?と問いかける作品。

倍賞千恵子が素晴らしくて、ちょっとゆるふわな設定をリアルに見せるだけの説得力があった。劇中でも言われていたけれど本当に良い声。

SF映画はレトロに作った方が普遍性が増すのは分かっているけれど、ここまでレトロにする必要があったのかなとは思う(調度品とか、カラオケがレーザーディスクだったり)。

それにしても隣のベッドの知らない人が死んでいくのを見ながら死ぬのは嫌だなぁ。せめてソイレント・グリーン位の(綺麗な映像や音楽見ながらな)サービスは欲しいけど、それはもしかしたら有料オプション?
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