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座頭市海を渡るのマッサージ屋のレビュー・感想・評価

座頭市海を渡る(1966年製作の映画)
4.0
今まで人を斬った事を戒める為に四国八十八箇所の巡礼をしていた市(勝新太郎)。
人を殺めまいとしていた矢先いきなり斬りつけてきた英五郎(井川比佐志)を逆に斬り殺してしまった。
英五郎が乗ってきた馬に付き添う形で彼の家に赴くが妹のお吉(大楠道代)に市はきりつけられる。
抵抗しなかった市にお吉は反省し介抱する。
英五郎は村を取り仕切る馬喰藤八(山形勲)に借金していてその肩代わりに市の殺害を命じられていたのだった・・・。

勝新太郎版劇場シリーズ14作目。
『海を渡る』というので外国に行くのかと思いきや四国に渡るという意味でした(笑)
まぁ確かに海は渡っている。

ストーリー的には村を仕切る悪人に成敗する市…とマンネリなもの。
しかし今作の違ったところは村人が悪人退治を市に任せっきりにしていることへの疑問を提示してくるんですよ。
そこをなかなかフィーチャーしてなかったのに敢えてそこを見せるのはなぜ?と思っていたら新藤兼人が脚本書いていた事で納得しました!

自分の村を守るのに他人任せで良いのか?
まさに日本人の習性に訴えかけているようで斬新でしたね。
考え過ぎなのかもしれませんが(笑)

シリーズの中でもなかなかスパイスが効いた作品だと思います。