このレビューはネタバレを含みます
リベンジスプラッターからスピリチュアルへの転調、それに伴い舞台は生活感のある家屋から無機質な地下室へ。不条理と痛みと幻覚、激烈に先鋭化したSMの極致。犠牲者の前に現れた幻は“自分を傷つけようとする怪物”や“虫の這い回る感覚”といった絶望。しかし、極限のアンナの前に現れた幻は“リュシー”という希望。深い精神世界を覗き込むような後半が好みで、このような作品だとは思っておらず嬉しい誤算でした。
地下室に飾られた写真の中にジョン・ゾーンのジャケットで使われた凌遅刑の写真があったので、もしかしたら他も本物かもしれない。