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ブルービートルのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ブルービートル(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『ブルービートル』の実写映画作品。

ヒーロー映画には珍しく、主人公がラテン系だったのは新鮮でしたし、ラテン系家族ならではの絆の強さだったり、ドタバタコメディーな部分は楽しませてもらいました。
ただ、それ以外の部分は…。

まず、本作のヒーローとなるブルービートルの設定やデザインが、ほとんどアイアンマンの亜流だった事が残念でしたね。
スーツに搭載されたAIと喋る感じだったり、扱う武器の数々も既視感のあるものばかりで、なんだかアイアンマンをパクったB級映画を見ている気分にさせられましたよ。

あとは、家族の絆を見せるのは良いのだけど、台詞でも「家族は最高!」みたいな事を言わせるのは、流石にクドく感じたかな。
ワイスピの様に血縁に因らない繋がりならまだしも、ゴリゴリに血縁で繋がった家族だし、家系映画が苦手な人が見ると、胃もたれを起こすかもしれません。

そして、個人的に最大のイマイチポイントだったのが、主人公に魅力がないという事。
巻き込まれ型の主人公だった事もあってか、彼自身の主体的な悩みや葛藤が描かれる事もないし、人間的に何か特別なチャーミングがあるわけでもない。
まったくもって感情移入が出来ないというか、「この人はなんで戦ってるんだろう?」と疑問を抱きながら見てしまいました。

ラストのトロフィーワイフ的なオチにしても、全体的に作りが古臭いんですよね。
2010年代の作品ならまだしも、ここに来て、このクオリティーは厳しいものがあると言わざるを得ない。
ビデオスルーされた事も含め、ヒーロー映画ブームの終焉を実感させられる作品です。
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