Sasada

ドント・ウォーリー・ダーリンのSasadaのレビュー・感想・評価

3.8
決して真新しくはないけれど面白かったです。

「制御することの美しさ」や「私たちの幸せ」は、果たして誰にとってのものなのか。
家父長制に生きる日常の小さな違和感を、スリラー/ホラーのアプローチで誇張して描く試みが奏功していて、ちゃんとグロいししっかりエグいのがよく分かる。(そもそもオープニングからして「女を鑑賞する男たち」な訳で)

男たちにとっての理想郷が“女性らしさ”によって支えられていて、彼女らが求められる“柔らかさ”は繰り返される円のイメージが表象する。

あんなものは秩序でも幸せでも理想でもないけど、そこに迎合して何かを得る(もしくは得た気分になる)者もいる一方で違和感を訴えて世界を壊す者もいて。

監督の前作とトーンこそ違えど、そこに生きる人々にちゃんとリアリティが宿っているのがすごいなと。白と黒だけじゃない、グレーな判断を/経験を重ねて私たちは生きているものねと。
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