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ドント・ウォーリー・ダーリンのAZのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「ダーリン」って別に男性に言う言葉ではないのだなと知った。

フローレンス・ピューはホラーやサスペンスがよく似合う。叫んでる姿や怒鳴ってる姿を見ていたい。またハリー・スタイルズもイケてる夫とダメ男の演じ分けがとても良かった。

よくある設定ではあるが、見せ方が面白く美しかった。どの世界にも妥協しなければならないものがある。完璧な世界などどこにもないと言う前提で世界を捉えないと、誤った方向に向かってしまう。

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完璧な生活を望んだ結果、偽りの世界を生きる。それは側から見たら完璧に見えるが、望んでいた本当の幸せは存在しない。偽りの世界の中で偽りの感情で生きているだけ。

冒頭からすでに何か裏がある世界なのだとわかる。というか、もはやあまり隠そうともしていない。明らかに不自然なコミュニティの様子が映し出される。紋切り型の理想の生活。意味院な模型、時折起こる謎の揺れ、謎の施設に向かう夫達。

早々に1人の女性が発狂する。

ここは何か作られた世界なのだろうということが伝わってくる。そういう施設か夢を見せられているか。だが、裏が読めても興味が惹かれるようにできていた。

断片的に頭をよぎる記憶、時折異常が起きる世界。それらの演出・見せ方が上手かった。不気味な雰囲気を出しつつも、世界は美しく描かれる。この対比が効いていた。

小さなとこだけどOursとAliceをかけてるの好き。

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『マトリックス』とか『コングレス未来学会議』など、似たような表現をしている作品はいくらでもある。

そんな中、見せ方次第でシンプルな内容でも良い作品にできる良い例。アイデアだけでなくセンスも大事。特に、催眠にかけるときの映像表現が美しく魅惑的で、理想の世界に誘い込む映像装置として説得力があった。

ホラー映画におけるフローレンス・ピューはやはり良い。
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