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ムーラン・ルージュのsugarのレビュー・感想・評価

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)
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華麗なるギャッツビー、エルヴィスはわりと好きだけれど、本作は想像を上回るくらいには破茶滅茶(!)で、かなり癖のある映画だった。私が先に観た2作は時を経て大衆向けに作家性を抑えた(丸くなった)作品だっただけかもしれない。。。

現実味を全く考慮していない美術、ガチガチにデフォルメされたようなダンスや端役たちの表情など、もはや映画でなく舞台芸術のよう。この"つくりもの感"を楽しむのが正解なのか、と思ったら面白かった。(人の手を感じる舞台芸術のセット、機構とかを見るのが自分はすごく好きなので)
昔のアニメーション(カートゥーン)のような大袈裟な演出を実写映画で再現するのを試みているようにも見えた一方で、次から次へと溢れるポップスやごちゃまぜ文化、カットの速さとか、この情報過多感は、逆に最近のアニメーション映画(というかフィルロード&クリスミラー作品)の感があるな、とも思った。とにかく実写映画ぽくないという感想。

反対に、リハーサルを重ねていく中での主役2人の歌のやりとりで描かれる心の動きになどは落ち着いて丁寧にみせてくれる感じがあって好感だった。これは主演2人の功績。そして単純にYourSongの名曲パワーにもやられた。自分はミュージカルというものが好きだけれど、中でも、劇中劇の登場人物に重ねて登場人物の抱える想いを描く、というのが好きなんだろうなと思う。
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