眼鏡が本体

胸騒ぎの眼鏡が本体のネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、プールでデッキチェアを貸したときから、値踏みが始まっていたのだろう、「言わざる」招待客に相応しいかどうか。

劇中感じるのはオランダ人夫婦への不可解さや恐怖だけではなく、彼らを必要以上に受け入れ、飲み込み、差し出し過ぎるデンマーク人夫婦への苛立ちだ。
そして自分は間違いなくデンマーク人夫婦、特にビョルンの属性を持っているので気をつけなくてはならない。

繰り返し観たくなる胸糞映画と、1回で充分な胸糞映画がある。
ハネケの「ファニー・ゲーム」は前者だけど、「胸騒ぎ」は後者かな。

補足。
「ファニー・ゲーム」について。
胸糞映画の金字塔みたいに言われることが多いけど、その昔初めて鑑賞した時から、不快になるというよりも、こんな演出見たことないぞ、凄いぞ、と感心して何度も見返した記憶がある。
あなたも共犯ですからね、と意地悪な監督の声が聞こえるものの、ドライなタッチで、「敢えて見せない美学」のようなものが感じられて好みの作品だった。
ただ、「胸騒ぎ」のラストは単純に不快な気持ちになったので、鑑賞時に受ける感覚は全くの別物だった。
眼鏡が本体

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