つるぎたけし

胸騒ぎのつるぎたけしのネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

今年の鑑賞作品で屈指の胸糞悪さであり、特に心の調子が芳しくない時に鑑賞するのは避けた方が良いと思えるほど

本作の土台にあるのは、事を荒立てたくないという気遣いや思いやりの行動は、人によってはハッキリ断ったり不快だという意思表示をしないと伝わらないということ

日本人の国民性なのかもしれないが、自分が少し我慢してその場さえ凌げれば良いと思う事なかれ主義が事態をどんどん悪化の方向へ加速していく様を見届ける苦痛の時間
特に主人公の父親が万事優しいというだけでは済まない弱腰な対応で平穏に事を収めようとする素振りながらも、実際には何一つ良い方向に向けての行動を起こさずに、ただその場が丸く収まれば良いと自身相手どちらの立場に対しても強く物を言えない態度にイライラする人もいるかもしれない
そして、何度も立ち去れるチャンスは有ったのに出来なかった家族の姿を見て、自分が同じ立場だったら・・・と考えずにはいられない時間を鑑賞中突き付けれれるため、ストレス蓄積はMAXに達する

ここまでならば日常でも起こり得る事象かもしれないが、ラスト15分は怒涛の展開であり、全てはこのために意図的に動いていたことが判明し、気付いた時には完全に支配されてしまっている状態になる洗脳の恐ろしさを見せ付けられる

何故このような事をしているのか、この後も同じことが繰り返されるのではと容易に考えられるエンディングの後味の悪さは筆舌にし難い

ジェームズ・マカヴォイ主演でハリウッドリメイクが決定しているらしいけど、どんな作品になることやら・・・
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