カオリ

ザ・ホエールのカオリのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
4.1
レビュー怠っております…今作の鑑賞も2ヶ月前…

ダーレン・アロノフスキー監督による、死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描く、舞台劇を原作とした作品。

ありきたりな感想になりますが…まず特殊メイクに本当に驚愕!
アカデミー主演男優賞も納得なブレンダン・フレイザーの演技も凄かったですが、この容姿も含めてですよね…嘘みたいな体型なのに本物みたいっていう、なんとも不思議なことに。

この監督のことですから、肥満症の男のただのヒューマンドラマ…ではなさそう。
今作でも、やはりキリスト教の知識が有るのと無いのとではまるで違う見え方になりそうな…あとは、ハーマン・メルヴィル著の「白鯨」ですね。これも私は読んでいないので、なんとも解釈不足が物凄くありそうで、モヤモヤ~っとしつつも、非常にメタファーだらけの面白い作品でした。

「白鯨」読んではいませんが、今作の冒頭で出てくるエッセイをみる感じ、鯨を主人公のチャーリーに見立て描写されているのだと思います。

また、今作は、月曜日から始まり一週間の出来事を描いており、主人公がまともに動けないということもありホボ部屋の中だけで物語が進んでいく。…このシチュエーションなんかも、もろ旧約聖書であった前監督作品の「マザー!」を思い浮かべてしまいます…。
一週間の起こりというのは他でもない旧約聖書からで。
神が7日で地球を造ったという、天地創造ですね。
そして旧約聖書では、神様の指示に従わず間違ったことをしたせいで嵐になり、なんやかんやで鯨に喰われます。
作中、1日…金曜だったかな…だけ、ザーザー降りで、そして最後の日曜にピーカンであったことが印象的でした。

誰が誰をどう救ったのか?どこが意図的でどこが偶然であったのか?
そもそもラストがアレだし、そもそもがそもそもだったのではないか?

う~ん…
あまり考察とかって好きではないのですが、今作に関しては作りが非常にシンプルであるがゆえに、色々と考えながら鑑賞できたので、とても楽しかったです。
配信ででもまた観たいですね…
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