これまでのアロノフスキー作品は最初から最後まで自傷的で、ガラスの破片をはらわたに何度も突き刺すような主人公の生き様を見せられて、鑑賞後はなんとなく重苦しい気持ちになる、そんな感じだったように思う。
今回もやっぱり主人公を最大限苦しませるし、やっぱりじゅうぶん自傷的なんだけど、ラストはちゃんと主人公が「解放」されたんだって感じられる展開で今までの作品の中で一番震えたし、涙が止まらなかった。
アロノフスキーの映画はなぜかいつも、自分を見ているような気持ちにさせられてしまう。だから彼の映画は、観るのにいつだって覚悟と体力がいるんだよね。
でもそんなところが大好きで本当に良い監督だなと思うわけです。
もっとたくさん彼に映画を撮ってもらって、人生の面白さを教えてほしい。
