子どもの頃3度ほど観たことがあり、そのころの感想と言えば「自然は守ろ!」「人間うぜえ」ぐらいなもんだったけど、大人になって観ると全く違ったものに見えた。
この作品は、守りたいもののために必死で戦う戦士たちの映画なんだなと。
獣、神々、人間、それも部族ごとにそれぞれ守りたいことが全く違う。そのことが一人一人の発言、行動、シーンから明確に表現されていた。
大人たちが命を削って自分の大切なものをかけて争う中で、他者を平等に信じ「新しい道はないか」と探し続けるアシタカと、そんな彼の一途な気持ちに心を通わせていくサンが印象的だった。
グレートリセットで迎えたラスト、それぞれが歩み寄ることはできるんだろうか・・というところで終わったけれど、もうすっかり すいも甘いも知ってしまった大人なんで「いやー難しいんだろうな。やっぱり争ってしまうんだろうな」とエンドロールを見つめながら思ってしまった。
それでも、誰もがアシタカとサンのように歩み寄ることができたら...と密かに期待してしまう素晴らしい映画でした。