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狂乱の日々 デス・ロードの戦いのblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.0
Netflixのドラマ版『新聞記者』、最初、映画以上に安倍政権の闇に切り込んでると絶賛の嵐だったけど、赤木さんの奥様の了承を取らず彼女の意志を踏みにじる形で撮られたものだということが文春砲で明らかになるとガラッと空気が変わったよね。
やってることがまるで批判対象の安倍政権と同じじゃねえかと。
それで最初に絶賛してた人達が、反権力気質の単細胞が本質を見ずに喜んでて草生えるwww、的な悪口を権力の犬気質の単細胞な人達から浴びせられ嘲笑される展開になったよね。

こんなの言いがかりだよね。業界人でもない限りドラマの舞台裏のごちゃごちゃなぞ分かるはずもないのだし、見てないから知らないけど、作品自体は安倍から続く現政権の隠蔽、改竄、恫喝体質に真っ当な批判精神を持つ多くの人達を納得されるだけのものだったのだろうと思う。
しかし、権力機構とは無縁の一介の庶民なのに政権に批判的な人を見かけるとまるで自身を非難されたかのように怒りや罵倒を浴びせかける人って一体なんだろうな?何食ってたらそんな滑稽な生き物になるのかな?かの有名な神話に出てくる"奴隷の実"でも食ったんですかね?

それはともかく、自分も比較的と言うか、もう激烈に安倍政権に否定的な人間なんで、やっぱり観たら絶賛してたと思うんだよな。そしてそれを各SNSで書き散らすから上記の方々のように政権の犬気質人に嫌みや嘲笑を浴びせられたはずだから他人事とは思えなかった。

自分がドラマ版『新聞記者』見なかったのは映画版があまり好きではないので監督が同じと聞いて敬遠したいと思ったのと、今年に入ってから忙しい上におかしなヤツにケンカを売られて戦争状態になってて、これ以上怒りのボルテージを上げるようなのを見るとイカれてしまうんじゃないかという不安があったから。さらに言うと友達からオススメされたマ・ドンソクが出てるドラマ、『元カレは天才サギ師』を見てたから時間もなかったんだよ。

本当は元カレ~の感想をと思ったけどFilmarksに登録されてないんだよ笑
ああ、どうすっかな、と思いつつ検索したら『狂乱の日々 デス・ロードの戦い』はしっかり登録されてたので元カレ~の方に書こうと思った『新聞記者』の雑感をここに書いたわけ。

怒りのデス・ロードの制作過程は大好きな映画だったから片っ端から情報追ってたので、このドキュメンタリーに描かれてる大きなトラブルやおもしろエピソードは知ってるものばかりだった。
それでも、ジョージ・ミラー監督の口から身振り手振りを交えて話を聞くと知ってることでも興奮する。そして改めてこの映画が完成したのは奇跡に近いことだったんだと感動した。
過酷な撮影方法、アクション過多で極端にセリフの少ない演出に監督の意図が分からず撮影中常に苛立ちと不安があり強い不信感を持って演技をしていたというトム・ハーディーが「この(素晴らしい)ビジョンを言葉で伝えることは不可能だ、不信感を持ったことを監督に謝りたい」と完成版観賞後にジョージ・ミラーに謝罪の言葉を述べるシーン印象的だった。怒りのデス・ロードがいかに破格で唯一無二の傑作なのかが分かる名シーン。
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