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ヘル・レイザーのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ヘル・レイザー(1987年製作の映画)
3.6
VFXが安いのは当時から思ってたけど今観ると当時より安く見えるな。最後、怪鳥🦅がパズルボックスを掴んで飛び去るところカメラを上空に上げて怪鳥🦅の主観映像で処理してて怪鳥🦅が飛ぶシーンないんだよな。記憶補正で飛び去るシーン捏造してたよ笑 一番かっこいいシーンがなかったことが衝撃だった笑

ヘルレイザー3か4のレビューでヘルレイザーの1作目はホラー/スラッシャー映画の中では格段に格調が高く文学性があるみたいに偉そうにイキって言ったんだけど、今観ると明らかに過大評価だ笑
旦那であるラリーの弟フランクの性的に野卑な引力に魅せられ禁断の恋に堕ちたジュリアがパズルボックスに触れ肉片になったフランクの復活のために夜な夜な男を誘い込み殺害していく倫理を超えた愛の物語なんだけど、フランクとジュリアの絆はほぼ100%セックスなんで、ストーリー性のあるAVレベルなんだよ。ジュリアがフランクとの在りし日を回想するのがセックスばかりだし。中年女性が温厚な旦那との緩い幸せより危険な男との激しいセックスの溺れるという、生活臭と生々しい卑猥なセックスを売りにした日本の某AVメーカーの某監督の作品のようだった。それに見せ物風の残虐描写をくわえただけ見たいな笑
しかし、これを文学性があるだのと持ち上げたのも仕方ないことだと思う。同時期のおれが見てた他のホラー/スラッシャー映画は13金とかフレディなわけじゃん。それでもまだこれらはまだしっかり話がある方。他と言えばホームレスの人が切れたチ☆コでラグビー🏈して変なワインを飲んでヘドロのようにドロッドロに溶けるやつ(はきだめの悪魔)や顔中ゴカイ🐛に食いちぎられたおっさんが顔にゴカイ🐛ぶら下げながら「好きなんらぁー」て女性に告る(スクワーム)やつや孤島に潜む食人鬼が人を食うだけでは飽きたらず自分の腸までむしゃむしゃ頬張る(猟奇!人喰鬼の島)ようなのばかりだったから、それらと比べると本作は圧倒的にストーリー性もあるし格調も高いんだ。

何よりスラッシャーである魔道士達が餌食を狙うのではなくパズルボックスを開いた者に究極と快楽と苦痛を与えるという存在なのが今までのスラッシャー達と違う超越性かありそこに気品を感じたし、ダーク・ファンタジーとしてあまりに魅力的だった。澁澤龍彦の『黒魔術の手帖』とかラヴクラフトの一連のクトゥルフ神話やアーサー・マッケンとか古典的な怪奇幻想小説を読んでいたオールドスクールな厨二病のおれには世界観がマッチしずきていた。それにフェティシュでビザールな魔道士達のビジュアルデザインもグッときた。てか、ヘルレイザー・シリーズが何やかんや言ってマスターピース的な傑作もなく微妙な出来の作品ばかりでも愛され続け作られ続けるのはピンヘッドのかっこ良さがあるからなんだと思った。この歳になるとジェイソンやレザーフェイスのTシャツは流石にグロいしアホっぽいから着ることに躊躇を覚えるんだけどピンヘッドは余裕で着れるからな。いかにスタイリッシュかってことなんだよ。むしろ酸いも甘いも噛み分けた大人が着た方が映えるんだ😏

とは言え、最高傑作の1作目も今観るとイマイチと言わざるを得ない。気色悪さを強調したゴア・エフェクトは今見ても遜色ないし話運びも上手い。ガジェットとして魅力的なパズルボックス、ビザールでグロテスクな魔道士達。どれも素晴らしい。でも、肝心のテーマである究極の痛みと究極の快楽、痛みは表現できるが快楽がまったく映像化できてない。これが人気シリーズの割に存在感が薄い理由だと思う。

あと、何で1作目だけ表記がヘル・レイザーなの?
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