このレビューはネタバレを含みます
現代フィンランド、幸せな家庭と題したSNSアカウントで家族の動画を発信し続ける母親の元、母親の期待に沿うべく振る舞っていた娘ティンヤが、拾った卵から自らの抑圧された感情を具現化した怪物を孵化させてしまう思春期ファンタジーホラー悲劇。
目覚める自我のメタファーとしての怪物
「幸せな」家族からの自立
母の支配からの自立
家族以外の関係性への自立
怪物だと思っていたそれが
自分とそっくりになり、
不安、恐怖を覚えつつも
受容というか、
演じる自分を殺して「本当の」自分が
生き残るという切ないラスト。
毒親という言葉は好きじゃないけど、
これは稀に見る毒親。笑
・自己の虚栄心を満たすために家族の動画投稿
・娘に自分の過去の理想を押し付け習い事をさせる
・公然と不倫し、娘にそれを受け入れさせる
夫の机や家族の机と対比的に
妻の化粧机が以上に大きく豪奢なのも
ポイント。
私は幸せになれない。
何をやっても被害者ムーブなタイプ
そういう意味では
もう一つのテーマは「幸せとは?」かな。
クソみたいな母親
それをわかりつつ振る舞う父親
巻き込まれる娘息子
それぞれの幸せの形。