オーラス前までは「いいドラマだけど、今さらこのテーマ?」という感想でしかなかった。しかし、最後の最後にぜんぶひっくり返された。それまでの物語はぜんぶ前振りにすぎず、そういう「プレイ」を楽しんでいただけのようにすら思えてきてしまった。自分自身も映画を観ながら「不自由って悪くないかも…」などと不謹慎な思いを抱いていたので、やっと「大いなる自由」を手に入れたハンスが最後にとった行動に、驚きつつも共感を覚えてしまった。自販機で気軽に買える既製品のタバコより、吸い殻をせっせと集めて自作したタバコの方が味わい深い…。愛もそういうものなのかもしれない。