心臓を鷲づかみにされた。あまりに見事な「青春映画」である。
脚本の力が強い。とくにホテルでの会話は、いまおかしんじ節と言ってもいいやりとりでニヤリとしてしまった。
「自分もこういうことがあったなぁ」というシーンもあり、その部分にヤられてしまったという気もする。
伊藤万理華の演技は以前より素晴らしかったが、本作でより磨きがかかった感じがする。そこで少し残念なのが、彼女が演じる先輩のことをもう少し描いてほしかったな、と思うところである。説明不足な部分が一部あるので……。
照明と編集の見事さにも注目してほしい、青春映画の大傑作。
