西村大樹

怪談昇り竜の西村大樹のレビュー・感想・評価

怪談昇り竜(1970年製作の映画)
4.0
石井輝男監督が日活で撮ったシリーズの番外編的作品であるのだが、石井監督が撮るとまるで東映異常性愛路線の1本を観ているような気持になってくる。土方巽も出ていますし(笑)
オープニングから一気に世界に引きずり込まれる。カッコいいのだ。石井監督のテクニックで、一気に映画の世界に導かれる。
そして、脚本との相性がいい。曽根義忠こと曽根中生と石井との共同脚本なのだが、見事な異常性愛路線の作品になっている(もう一度書きますが、日活……ダイニチ映配作品ですが)見世物小屋のシーンなど、素晴らしいの一言である。
そして、美術も素晴らしい。非現実的ともいえるイメージ的な書き割りが、怪談という非現実的な世界に深みを作り出し、同時にエロチシズムすら感じさせる。
石井監督作品のひとつの頂点とも言える傑作。
西村大樹

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