mushi

今夜、世界からこの恋が消えてものmushiのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

久々の投稿。
最近映画見てても原作のほうが素敵だなと思うことが増えてたけどこの映画は素敵だった。

まず映像がとてもきれいで誰かの大切な記憶の中を覗いている気持ちだった。
綺麗過ぎて現実味がないというかそんなところが”記憶の中”を想像させた。
スマホで撮ったような縦動画もなんだか時代を感じたけど映画館で縦動画は見たくなかったなとも思う。

記憶と記録、全然違うんだなと。
当たり前のように思い出があってそれを誰かと共有できるって幸せ。
真織の日記は記録ではなく記憶だと感じた。
感性豊かで1日の出来事全てに心が動いてるのかなって少ない描写で感じる。
そんな真織の日記を楽しいことで埋めたいといっていた透が真っすぐで素敵な人柄だなと思った。

お互い都合がいい関係が次第に何よりも大切になっていく様子がわかりやすくて花火大会での二人はもう世界にふたりだけしかいないんじゃないかとおもった。

二人で明日の君を騙そうよ。って台詞かわいい、絶対にそんなこと日常じゃできないから物語ならではで気分が上がった。
原作もそうだけどひとつひとつの台詞がほんとにかわいい。

日記に残る出来事を大切にしていた透が真織の幸せを思って泉に日記の改ざんをお願いするところは真織の事だけを考えてたからできた事だなと思う。その学生らしさがすごく刺さった。大人になっていくにつれて一人のことだけで動けなくなってしまうと思うからまさに青春!って感じがした。

泉がその透の想いと良心の間で揺れていくところはもう泉がこの映画の主人公なんじゃないかと思った。真織の日記を抱えて走る昔の自分を見ている泉は覚悟を決めきれてない様に見えてすごく切なかった。

ありきたりな王道設定と物語進行だったけど初めてこのふたりが幸せになっていくところを見たいと思えた映画でした。
今度は大切な誰かと見たい。そんなふうに思えた21歳夏。
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