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炎の少女チャーリーのsymaxのレビュー・感想・評価

炎の少女チャーリー(2022年製作の映画)
3.4
"…鉛筆…机…紙…靴…また起きる…悪いことが…"

アンディとヴィッキーが何度も住処を変え、ひたすら逃げ隠れて来たのは、一人娘チャーリーを守るため…

大学生の時に"ロト・シックス"という新薬の治験を受けたアンディとヴィッキーには、人を"押す"事で操る能力と考えただけで物を動かせる能力をそれぞれ得る事となった…

やがて結婚し生まれた二人の子供チャーリーは、強力なパイロキネシスの能力を持っていた…

力を抑え込もうとするアンディ、それに対して力を制御する事を教えようとするヴィッキー…

思春期手前の多感な時期に入ろうとしたチャーリーは、自らの能力を制御する事が出来ず、力が暴走し、やがて"店〈ザ・ショップ〉"と呼ばれる政府機関にチャーリーが狙われる事に…

"チャーリー、燃やしてしまえ…全部…"

スティーヴン・キングの初期傑作の一つ"ファイアスターター"二度目の映像化。

前作は、1984年の作品で、チャーリーをまだ幼かったドリュー・バリモアが演じ、悪役の肝であるレインバートを名優ジョージ・C・スコット、"店"のホリスターをこれまた名優マーティン・シーンが演じるという中々豪華な布陣なんだけどB級な…という感じでしたが、リブートの今作では、何処となくドリュー・バリモアっぽい雰囲気を持ったライアン・キエラ・アームストロングがチャーリーを演じていて良い感じ…なにより、アンディを演じた腹筋バキバキのザック・エフロンが良かったのですが、これまたB級な…

最近ちょこちょこ復活するキング作品…ただ、評価はかなり悪いみたいで、原作大ファンの私としては切ないのですが…キング作品の映画化ですから、ま、これくらいの評価が正当だし、普通なんです…キング作品ですからぁ…

テンポの悪さや、何これラストって"アラ"は沢山、ツッコミどころ満載ですが、私は今作大好きですよ…なんたって、音楽がジョン・カーペンターですから…カーペンターの旋律を劇場で聴けるだけで、満足満足…

2022年の作品なのに、一気に雰囲気は80年代ホラーにさせる力強さは流石です。

原作の方は、一度読み始めると止められないかっぱえびせん的で、ついつい徹夜してしまう程面白い傑作です。

原作でのラスト、チャーリーの選択は1984年版も2022年版も原作を越えられないラストだと思います…実にキングらしい…
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