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リボルバー・リリーのハルのレビュー・感想・評価

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)
3.7
引退して長らく姿を消していた殺し屋小曾根百合(綾瀬はるか)が、とある事件に巻き込まれ、再び表舞台に戻っていくお話。
過去の恋愛、縛られた因縁から一人の少年を保護することで、彼の持つ秘密を狙う陸軍から狙われる。

世間の評判がいまいちなこともあり、鑑賞前の期待値は低めだった。
しかし、冒頭の殺害シーンからしてハードにグイグイ!
一気にボルテージがあがる。
そこからの流れもオーソドックス、かつシンプルにトントントンとテンポよく。
アクション×バイオレンスに謎を絡ませ、味付けしたタイプの物語。
この手の作風はちょこちょこあるよね。

見どころとしては…綾瀬はるかそのもの。
彼女のアクション、美貌が際立つ。
撮り方も彼女が映えるよう、徹頭徹尾フォーカスされている。
一人でこれだけ魅せるんだから本当に凄い女優だし、唯一無二。
単独でお客さんを呼び込み、アクションもこなし、芝居力が卓越した女優で他に思い浮かぶのは…長澤まさみしかいない。
サイズも170近くあるため、スクリーン内の存在感は別次元。
今作の綾瀬はるかには背負っている責任の重さに加え、貫禄すら感じられた。
表情も凛々しく、勇ましい。
小曽根百合として纏ったオーラは『ICHI』の頃の雰囲気に似てるかも。

なお、今作は139分とやや長めだが…臨場感に引き込まれ、最後まで退屈せずに見られた。
とはいえ、味方が撃つ銃弾のみ敵に当たる、”シティ・ハンターモード”が発動したり、小曽根が血まみれのゾンビ状態でも普通に戦いを継続できてしまったりの引っ掛かりポイントが散見する。
要は無敵すぎるんだ…
そうしたディテールが気になっちゃう方は回れ右、綾瀬はるかがそもそも…という方も敵前逃亡でお願いします。
まぁ、綾瀬はるか苦手な人はこの作品をチョイスしないよね。

粗い部分も目立つけど、トータル的には骨太にどっしり作られていた印象。
欲を言えば伊勢谷友介が欲しかった!
彼が陸軍にいて、小曽根とバチバチの死闘を繰り広げてくれたら…アクセントとしてガッチリハマったはず。
早くスクリーンの世界へ戻ってきてほしいなぁとしみじみ回顧。

ちなみに、今作には佐藤二朗と清水尋也も出てくる。
この二人といえば…『さがす』だよね。
あの時の二人が頭の中をリフレインし、この人ら再び猟奇殺人を画策するのでは…と訝しげに構えてしまったのは僕だけでしょうか?
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